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比屋根 彰人(オリックス)内野手のルーキー回顧へ



 比屋根 彰人(飛龍3年)投手 182/82 右/右
 




                   「野手として評価しているのか」





 MAX143キロを記録する力強い投球よりも、高校通算36本塁打の強打の方を評価されてのプロ入りなのが、この 比屋根 彰人。残念ながら試合をちゃんと見ることはできなかったので、ダイジェストの映像を元にフォーム分析中心にレポートを作成して行きたい。


(守備・走塁面)

 投げない時は、左翼手として出場。非常にターンの鋭い牽制を魅せているなど、大型でも動きは俊敏そう。投げても140キロ台を連発できるようなスピード能力があり、強肩であるのは間違いないだろう。性格的に非常に勝ち気な感じがする選手で、一歩目の反応・勇気が求められるサードの適正は高いのではないかという印象は受けた。それまでやっていた外野でも投手でもなく、サードとしてプロの第一歩を踏み出すという。

 残念ながら走塁を確認する場面はなかったが、50メートル6秒6 ということで足を売りにするタイプではないことがわかる。あくまでもサードを守る強打者タイプであり、走力にはあまり期待しないでくれというプレースタイルなのではないのだろうか。


(打撃内容)

 体幹・背筋の強さで当たれば飛んでゆくのだろうが、それほどボールを遠くに運ぶといったスラッガーではない。あくまでも現時点では、上体の強さに頼ったスイングになっている。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 前足を軽く引いて、グリップは高めに添えられている。腰の据わり、両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスもまずまず。少し構えた時に力みがちではないかと思える部分はあるが、投手は威圧感を感じるタイプの打者ではないのだろうか。

<仕掛け> 平均
 
投手の重心が沈みきった時に動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力を程よく兼ね備えた、中距離打者やポイントゲッターに多く観られる仕掛け。

<足の運び> 
☆☆☆☆ 4.0

 足を上げて、真っ直ぐ踏み出して来る。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも満遍なく打ちたいタイプかと。踏み出した足元もブレないで我慢できているので、外に逃げてゆく球や低めの球にも食らいつけそう。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、構えの割にボールを呼び込む時に力みは感じられません。「トップ」自体を深く取れているので、弓矢の弓を強く引くが如く強い反発力は期待できそう。

 バットの振り出しは少し肘が下がって出て来るのは気になるものの、肘の使い方・抜き方は上手いので、内角寄りの球もうまく捌けるのではないのだろうか。少し外角を捉えるまで遠回りに出るのと、木製バットを使った時にしなりをいかしたスイングができるのかが気になるポイント。それでもバットの先端であるヘッドは下がらないので、ドアスイングにはなっていない。

 スイングの弧は大きめに取れているものの、フォロースルーなどを活かしてボールを運ぶ・上げるタイプではない感じがする。あくまでも強いあたりが、野手の間を抜けてゆくタイプの強打者。この夏は7安打を放ったが、長打は二塁打の一本だった。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げなのは静かなので、目線の上下動は少なめ。身体の開きも我慢できているのだが、ステップが狭いのか? 少し足元が窮屈そうでスイングの際に足を後ろに下げて立ち位置を修正している。引っ張るのには良いが、右方向の打撃を引きつけて叩くのにはどうだろうか?

 それでも軸足は内モモの筋肉には強さが感じられる。強烈な打球を生み出す、原動力になっているのではないのだろうか。

(打撃のまとめ)

 最後の夏は、4試合で16打数7安打.438厘 の活躍だった。まだ上半身が勝ったスイングではあるが、スイングにも悪いクセはなくパワフルで楽しみな打者ではないのだろうか。やはりこの選手は、打撃の才能を評価しての打者というのを実感する。

(最後に)

 試合を通してみていないので、どんな選手なのかは掴み難い。慣れない三塁守備・走力を売りにする選手ではないだけに、打撃でいかにアピールできるかというタイプ。最初は、プロのレベルに戸惑い打撃でも結果が出ないことも多いだろうが、そこでめげないで頂きたい。気持ちも強そうなので、厳しい状況でもはじき返すものがあると期待したい。

 問題は、けして守備・走塁でアピールするタイプではない選手の割に、何処までホームランなどの長打で魅了できるかということだろう。そうしないと、中途半端な位置づけで埋もれてしまう危険性もあるということ。何処までバット一本で、アピールできるかにかかっているのでは無いのだろうか? 面白いものは持っていると思うので、今後の成り行きにも注目して行きたい選手だった。残念ながら試合をちゃんと観られていないので、評価づけはできないということでご了承願いたい。


(2017年 静岡大会)









比屋根 彰人(飛龍1年)投手レポート(無料)