17ky-40
綱島 龍生(糸魚川白嶺3年)遊撃 178/72 右/左 |
「全然よくわからない」 春季大会の頃から、新潟では話題になっていた内野手でした。しかし残念ながら、そのプレーを実際には確認できず。そのため試合の模様や、試合前練習のノックなども観ましたが、正直それだけではよくわからなかった。 (守備・走塁面) 試合前のノックの動画があったので観たのですが、特にものすごく打球への反応が鋭いとか、グラブさばきが柔らかいとか、何かスピード感を感じるとか特別なものは感じられませんでした。高校生としては悪くなのでしょうが、それなりに肩の強い選手が無難に守っているという感じを受けました。 50メートル6秒0の俊足ということですが、あまり走り方がよくなく速いようには見えません。特にこの選手は、現時点での能力よりも身体能力・将来性みたいなものを高く評価されているタイプ。しかしそういった片鱗は、ちょっと動画を見る限りは伝わってきません。 プロに混ぜたら、守備も走塁も平凡なのではないかと思ってしまいます。しかし野手の育成には定評のある西武のスカウトが、高い身体能力を評価しての指名。それだけに、確かなものがあるのだと信じたいところです。 (打撃内容) 凄いスイングをするとか、身のこなしが柔らかいとかという感じはしません。そのためちょっと試合の模様をみても、何処が凄いのかというのは掴み難いタイプ。ちなみにこの夏の新潟大会では、11打数4安打。二塁打・三塁打を一本ずつ記録しています。オーバーフェンスを連発するような、強打者タイプではないように見えます。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 ベースラインギリギリに、スクエアスタンスで立ちます。グリップの高さはそれなりにあるものの、ボールを呼び込むまではバットを倒して構えています。腰の据わり具合、両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスとも悪くなく、理にかなった構えにはなっています。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下がり始めた時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。典型的な、確実性重視のアベレージヒッターの構えです。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 足をしっかり引き上げ、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすいはず。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたいという万能型。 踏み込んだ足元も、インパクトの際にはブレません。前の肩を壁にして、前でボールを捌くタイプ。それでも壁を作れるので、外角に逃げてゆく球や低めの球にも食らいつけるはずです。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる要素はありません。振り出しも鋭く、肘も身体につくようにスイングできており、うまく抜くことができています。そのため真ん中~内角寄りを引っ張るのは得意にしているのではないのでしょうか。 それでもレフト方向に流すこともできる選手ですし、スイングに大きな欠点は感じません。まだまだプロレベルの球威・球速に対応するのには時間がかかるかもしれませんが、馴れれば順応できるのではないのでしょうか。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足は結構しっかり引き上げて来るものの、目線の上下動は少なめ。身体の開きも我慢できていますし、軸足の形も地面から真っ直ぐ伸びてスイングできています。軸を起点に、キレイに回転できているのではないのでしょうか。好不調の波は、少ないタイプだと考えられます。 (打撃のまとめ) 特にヘッドスピードが凄いとか、当てるセンスが卓越しているという特別なものは感じません。それでも無名校の選手ではありますが、技術的に悪いクセがないところは良いところ。あとは、プロのスピード・キレに、いかに馴れてゆくかではないかと思います。スイングの形としては、大きくいじる必要がないのは大きいと思います。 (最後に) 残念ながら生で観ていないので、守備や走塁などの凄み・身体能力の高さは正直よくわかりませんでした。打撃も同様なのですが、技術的にはしっかりしているところには好感。時間がかかりそうな素材だと思っていましたが、意外に早く順応してくるかもという気がしてきました。 現時点では、アベレージヒッターの色彩が強い選手。逸材きらめく西武の中で、存在感を示せるのか注目したいところです。ぜひ来年は、イースタンの公式戦でその勇姿を確認してみたいところ。西武らしい穴っぽい指名ではありますが、意外な掘り出しものになれるかもしれません。 |