17dy-13
中村 和希(天理大4年)外野 173/75 左/左 (大阪桐蔭出身) |
「どこに可能性を見出したのか?」 大阪桐蔭時代は、3年間ベンチ外。天理大に進んでからも、打順は下位打線でDHで出場していた 中村 和希 。一体楽天球団は、彼の何処に可能性を見出したのか考えてみたい。 (守備・走塁面) 外野手登録ということだが、DHでの出場だったので守備はよくわからず。走力も計測する機会はなく、正直よくわからなかった。しかしそのプレーを観ている限り、足でガンガンアピールする、そういったタイプには見えなかった。 (打撃内容) この春のリーグ戦では、12試合 0本 7打点 0盗塁 打率.294厘 を記録。大学選手権・大商大戦では、先制のなるライト前ヒットを放ち、この試合ではもう一本ライト前にはじき返した。続く立教大戦でもセンター方向に放ち7番・DHの出場ながら存在感を示した。しかしこの秋は、.167厘と低迷している。彼の良さは、しっかりバットを振り切れるところだという。 <構え> ☆☆☆ 3.0 両足を揃えたスクエアスタンスで、前の足のかかとを浮かしグリップを下げて構えている。腰の据わりはドッシリしていて良いが、全体のバランス・両目で前を見据える姿勢は並ぐらい。 <仕掛け> 平均的 投手の重心が沈みきったところで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力をバランスよく兼ね備えた、中距離打者やポイントゲッターに多く観られる仕掛けです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を地面から少しだけ浮かし、ベース側に踏み込んで来るアウトステップ。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。踏み出して来るように、外角を強く意識していることがわかります。なんとかインパクトの際にもブレないで我慢できているので、外角に逃げてゆく球や低めの球にもある程度対応できるのではないのでしょうか。 <リストワーク> ☆☆ 2.0 打撃の準備である「トップ」を作るのは遅すぎることはないものの、深くとったグリップが身体の奥に入り込んでヘッドの抜けを妨げている。そのためある程度身体とボールとの距離感を作らないと捌けないスイングであり、内角の捌きは窮屈そう。それでいて外の球を捉えるまでにも少し遠回りであり、確実性はけして高くない。 インパクト際には、さほどヘッドは下がっていない。スイングの弧はそれなりに大きいものの、フォロースルーを使ってボールを運ぶとかそういったタイプでもない。あくまでも強く振り切ることが特徴で、球足の速い打球が野手の間を抜けてゆくタイプ。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動が少ないのは良いところ。身体の開きもなんとか我慢できており、軸足も比較的安定してスイングできている。 (打撃のまとめ) 素直にバットが抜け難いスイングであり、まだまだ確実性が低く、内角の寄りの球の捌きは苦しいのではないのだろうか。潔いスイングで振れるのは魅力だが、それでも長打力や対応力に特別なものは感じられなかった。上下動のブレが少ない、軸が安定したスイングができているところがアピールポイントか。 (最後に) 正直、育成枠でも指名は厳しいのではないかと思われるほどの実績のプレーヤー。守備・走塁でのアピールポイントも乏しそうで、何処に可能性を見出したのかは理解が難しい。もしプロで活躍するとしたら、打撃が開花して代打などでの役割だろうか? 果たしてプロで、存在感を示すことができるのか注視したい。 (2017年 大学選手権) |