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坂田 将人(ソフトバンク)投手のルーキー回顧へ




坂田 将人(福岡・祐誠)投手 173/62 左/左


 春季九州大会で、一気に評価急上昇。一冬を越えて、春季大会になって一気に夏に向けて評価を高める選手が毎年出てくる。今年の春季九州大会では、この 坂田 将人 が、そんな存在になった。

動画:坂田将人(祐誠)投手VS福田遼川(佐賀北)内野


(投球スタイル)

 173/62 と、けして恵まれた体格とは言えないが、腕に角度をつけて投げ降ろしてくる球筋がいい。球速こそ、常時常時135キロ前後(MAX137キロ)程度だが、縦に割れるカーブとのコンビネーションで、ポンポンと投げ込んでくる。球速以上に綺麗に伸びてくる球筋と、縦に切れ込むカーブ、スライダーを織り交ぜる。テンポ良くドンドン相手に考えさせる時間も与えずに、最後はズバッとコーナーにストレート。あるいはボールになるカーブを振らす。

 ストライクを先行させる制球力はあるが、コースに投げ分けるタイプではない。また球威・球速自体は際だつものはないので、どうしても甘く高めに入ること怖い部分はある。

 ただマウンド捌きの良さ・牽制などの上手さ・勝負所での強さなど、野球センスはピカイチ。完全に将来性よりも、現時点の完成度の高さが評価されるべき実戦的な左腕だ。


(投球フォーム)

 足を地面に向けて伸ばすタイプなので、お尻の落としができるタイプではないのですが、前への一伸びができるので着地のタイミングは早すぎることはありません。そのためタイミングが合わせやすいとか、身体の「開き」が早くなるのを防いでいます。

 内に抱えているグラブが、最後に後ろに抜けてしまっているのが残念で、左右のコントロールがアバウトです。ただ足の甲での押しつけは、粘り強く地面を捉えており、フォームの後半にしっかりエネルギーを伝えることはできています。そのため最後まで、躍動感のあるフォームが実現できます。

 投球フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」に大きな欠点はなく、特に球の出所が見難い「開き」の遅さと「体重移動」の見事さは、彼の完成度の高さを物語ります。

 腕も強く振れますし、フォームのバランスも取れております。土台となるフォームはしっかりしているので、あとは身体の「強さ」など、筋力が伴ってくれば、素直に結果となって現れるタイプだと思います。


(今後に向けて)

 春季大会の活躍もあり、これからどんどん夏に向けてクローズアップされる存在だと思います。まだ球威・球速面で物足りない部分もあるので、夏までにワンランク力強さが増して来ると有力な指名候補になると思います。高校時代の辛島航(飯塚ー楽天)と同ランクから、それ以上の評価も期待できる投手だけに、これからの成長も期待してみたいですね。ぜひこの名前、覚えて頂きたい投手です。



(2010年・春季九州大会)